様々な機能を持つシリカ膜の特性とテストデータの一例です。
製品特性 [2]
[4] 防食性
*塩水噴霧、CASSなどによる防食性能の試験結果例。
参考画像 |
試験項目 | 基板 | 液種 | 硬化条件 | 膜厚 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
塩水噴霧 | アルミ 亜鉛メッキ鋼板 |
SSL-SX | 120℃×30分 140℃×20分 80℃×60分 |
約1㎛ | 変化なし |
CASS高温酸化 | アルミ ステンレス |
SSL-SX | 120℃×30分 500℃×30分 |
約1㎛ | 変色なし |
[5] 耐スクラッチ
*鉛筆硬度、研磨性洗剤による耐傷性能の試験結果例。
試験項目 | 基板 | 使用液種 | 硬化条件 | 膜厚 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
摩耗 (研磨性洗剤) |
ステンレス(鏡面) | SSL-SX コートなし |
200℃×60分 - |
約1㎛ - |
変化なし 傷だらけ |
鉛筆硬度 | ステンレス(鏡面) | SSL-SX コートなし |
200℃×60分 - |
約1㎛ - |
7H 2H |
[6] 表面硬度
*きわめて薄い膜ですから、実際の表面硬度は下地(基材)の影響を受けます。
用途にもよりますが、実用的な硬さを得るためには500nm以上の膜厚で、できるだけ高い温度での焼成をおこなうことをお勧めします。
*下表はナノインデンテーション法による薄膜そのものの硬度を測定したデータです。
高温焼成させたシリカ膜はソーダガラス以上の硬さを示し、常温放置で1か月間硬化させたものでもガラスの半分程度の硬さにまで達しており、既存のハードコート材と比較しても圧倒的な違いを証明しています。
コート材/素材 | 硬化条件 | 弾性率(Gpa) | 硬度(Gpa) |
---|---|---|---|
シリカシールド | 室温×1か月 | 33 | 3.2 |
シリカシールド | 900℃×30分 | 74 | 9.4 |
ソーダガラス | - | 80 | 8.1 |
シリコーンハードコート | - | 4 | 0.8 |
アクリルハードコート | - | 5 | 0.4 |
ポリカーボネート | - | 3 | 0.3 |
[7] 耐薬品性
*標準焼成膜は、石英ガラスとほぼ同程度の耐薬品性を有します。
[8] バリア性
*PETフィルムへ加工した場合の水蒸気および酸素のバリア効果測定結果例。
*シリカシールドを加工することによって、ガスバリア性が得られることがわかります。
試験項目 | 測定条件 | 基材 | 使用液種 | 膜厚 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
酸素透過率 (cc/m2/24h) |
@0%RH(JIS7126K) | 75㎛PET | SSL-SX コートなし |
約600nm×両面 - |
<1 25 |
水蒸気透過率 (g/m2/24h) |
@40℃(JIS7129K) | 75㎛PET | SSL-SX コートなし |
約600nm×両面 - |
3 12 |
[9] 光学特性
*可視光透過率98%以上、屈折率1.46であり、石英ガラスと同等です。
[10] 耐熱性
*膜そのものは石英ガラス同様1,300℃程度まで安定です。
*基材との熱膨張差や高温での更なる膜の緻密化等の影響により、膜厚限界(クラックリスク)が変化します。加工の際の硬化プロセスでは、想定される使用環境下での温度に合わせるか、それ以上の温度で焼成をおこなうことをお勧めします。
